まだ祖父が元気だった頃、私は祖父の前でミニスカートをつけることなどできませんでした。思えば、いい年齢になった私を祖父が叱るわけなどありませんでした。それでも、おかしなもので、自分の女を祖父の前に晒すことに私は抵抗があったのです。
 はじめて祖父の介護に来たときにも、私は、パンツばかりをカバンに詰めて来ました。スカートをつけることにさえ抵抗があったからです。
 その反面で私は全裸で街を歩いたりしていたのですから不思議なものです。
 あれはまだ夏の暑さの残る頃でした。私は露出用にしか使用しないようなミニスカートを祖父の家でつけました。一見ホットパンツにも見えるのですが、少し屈めば中が丸見えになるスカートです。
 祖父がそのことで小言を言っても、私は暑いし家の中だけだから、と言い訳けするつもりでした。ところが、祖父は何も言いません。言わないどころか、私が祖父にお尻をむけたまま前屈みになると、じっと私のほうを見ているのです。その視線が私には分かるのでした。
 そうした年齢になった男の人がどれほどエッチなのかは分かりません。もしかしたら、ただ、人恋しさで赤ちゃんがそうするように私を追っているだけかもしれません。それでもいいのです。
 ただ、ジーンズなどのときには、祖父はそう私を追いません。やはり私の下半身が、スカートの中が気になっているのかもしれないのです。私はそう想像するだけで楽しいのです。