私は子どもの頃、よく祖父の家にあずけられました。その当時は伯母、つまり父の末の妹が祖父母と同居していました。今は結婚して私と同じ東京で暮らしています。とても優しい伯母さんで、私は大好きでした。ですから、祖父の家にあずけられることは嫌ではありませんでした。
 ただ、まだ学生だった伯母は、勉強が忙しいらしくて、あまり家にはいませんでした。ですから私はたいはんを祖父母と過ごしました。祖父母は私を可愛いとは思っていたようです。しかし、不器用な人でしたから、どう接していいかは分からなかったようなのです。
 ですから、私の相手は勉強でしていました。勉強を教えることでしか孫と会話ができなかったのかもしれません。厳しく怖い印象ばかりがありました。
 とくに祖父は私を常に、別の誰れかと比較して叱りました。
「お前は誰誰と比べて勉強ができない」とか「お前は孫の中でもトロイほうだ」と、そんなことばかり言われました。とくにショックだったのは「お前はとりわけ美人でもないし、勉強ができるほうでもないし、運動だってできないんだから、親のいうことぐらいきちんと聞ける子にならなければ誰れにも可愛がられない」と、言われたことでした。
 私は特別でない、と、そればかり思いました。みんなは特別な子どもだから可愛がられるけど、私は特別な子どもではないから、みんなのように甘えてはいけない、そう思ったのです。
 実際、祖父も祖母も私の前で、他の人の話しばかりをしました。そして、その頃、子どもたちの中でも、私はどうでもいいような存在だと気づいたのです。私だけ注目されてない、と思いました。
 あるとき、私が男の子たちにオシッコしている姿を見せるまで。
 そして、今、祖父は私を特別な目で見ています。もしかしたら、私の裸にも注目しているかもしれないのです。そう思うと私は興奮してしまうのです。祖父に性的な何かを感じているのではありません。祖父とセックスしたいなどという気持ちは少しもないのです。ただ、あの厳しい祖父が私の裸を見たいと思っているのかと思うと、それが嬉しいのです。