以前からやってみようと思っていたことがあります。それは夏の冷房対策用のカーディガンを腰に巻いて、下半身裸で歩いてみるということです。カーディガンですから下半身を完全に隠すということはできません。どんなに上手く巻いても、よーく見ればその下に何もつけてないのは分かってしまいます。
 鏡の前でやってみて、あまりにも分かりやすいので、何度も止めようかと思いました。
 でも、巻きスカートをつけて、やっぱり家を出てしまいました。
 狙いは駅裏の少し寂しい商店街です。せっかくのカーディガンを腰に巻くには、やや涼しい夜でした。それでも私はそれを腰に巻き、そして、商店街を歩きました。昼間なら、人がたくさん歩いている商店街ですが、深夜ということもあって、人はまばらです。でも、まったく人がいないということもありません。
 こんなところを下半身裸でカーディガンだけを巻いて歩いたら、きっと、みんなに分かってしまうに違いない、そんなことできない、何度もそう思いました。すれ違う人の下半身を見つめました。男の人の股間のファスナーまでハッキリと見ることができます。後ろからならともかく、前から見られたら、やっぱり、私のヘアーは見えてしまうに違いない、と思いました。
 そう思いながら、私は路地に入りました。ここならスカートをとってもだいじょうぶだと思い、巻きスカートのホックをとりました。クシュクシュとそれをまとめると、バックに入るほどの大きさになります。
 下半身に冷たい風があたるのを感じました。少し歩いてその部分を見ると、やっぱり見えています。カーディガンの合わさった部分から黒いものが露出してしまっているのです。家でしたようにボタンをとめてみました。ヘアーは見えなくなりました。でも、すき間からアソコに直接風を感じます。きっと、見えているに違いありません。
 止めたい、止めよう、そう何度も何度も思いながら、それでも私の足は商店街に向かっていました。
 変態と言われるかもしれない。嫌悪の目で見られるかもしれない。チャンスと思って悪戯してくる人もいるかもしれない。いろいろなことを考えると心臓が痛くなりました。
 ところが、商店街を歩く頃には、不思議なほど安心していました。路地よりも明るいのですが、誰れも私の下半身になんか注目しないのです。
 商店街のはずれには、公園があります。昼間でも人のいない公園です。その公園の少し手前で、私は後ろを見ました。こちらに向かって来る人は誰れもいません。公園に人がいないかどうかは分かりません。それでも私はカーディガンをとりました。そして、公園まで下半身完全に裸のまま歩いたのです。
 幸い公園には誰れもいませんでした。それでも、私の興奮は頂点に達しました。激しい後悔もありましたが、この快感を私は手放すことはできそうにありません。